訪問看護って奥が深い!

30代、ナース。独身で仕事にプライベートに好きなことばかりやっています。4年前から立ち上げに関わった訪問看護ステーションで働いています。訪問看護の素晴らしく奥が深い日常をお伝えします。

訪問看護での医療処置 ※尿道カテーテル編

尿道カテーテルというのは、自然に排尿するのが難しい病気の人に、尿道からカテーテルを入れ、カテーテルの先から尿を貯める袋と繋いで膀胱から身体の外に尿が流れるようにする管です。

尿道カテーテルを挿入している方では泌尿器系の疾患の方や、尿をしっかり出し切れないことで感染を繰り返している方などがいらっしゃいます。
尿を外に出す管には、腎臓や膀胱に管を入れて外に出している方もいらっしゃいますが、看護師が交換できるのは、尿道カテーテルです。
女性の方の尿道カテーテルは看護師が交換しています。訪問診療の先生が物品を置いていかれるので、月に1回、訪問看護の時に交換します。

詰まりやすい方の時には、カテーテルの太さや素材などを先生に相談することもあります。今はカテーテルの素材にも色々あるのです。
尿道カテーテルが詰まると、膀胱に尿が溜まってしまうので、ご本人は尿意を訴えたり、尿漏れがあったり、下腹部痛があったりとご家族では対応しきれないので、緊急電話に連絡がきます。尿道カテーテル関連の緊急訪問は、それなりにあるかなぁ…

でも、仕方ないですよね。看護師か医師しか尿道留置カテーテルの交換はできないのですから。緊急訪問の体制がなければ、患者さんは夜でも病院に行くしかないのです。

なので、カテーテルが入っている方やご家族には、尿量が急に減っていないかを日中の間に確認することや、カテーテルのミルキングの方法を指導したり、水分をしっかり摂取するようにと出来るだけ予防したり、早期に気がつけるように普段の訪問時からご家族や本人に関わっていきます。

あと在宅にきて知ったのは、尿を溜める袋も病院で使う大きなものだけでなく、レッグバックという足に括り付けて使う小さいタイプのものがあり、ズボンを上から履くとカテーテルが入っていて袋がついているなんて全然わかりません。
あと、尿道カテーテルの先端に袋ではなく、DIBキャップといって蓋をつけ尿が溜まったら定期的に蓋をあけ尿を出すことが出来るもの。これはさらに外からは全然わからないし、袋がないので身軽です。ただ、蓋の開け閉めが細かい作業になるので、ご高齢の方には少し難しいこともあります。泌尿器科では当たり前の物品なのかも…。

担当している利用者さんで、病気の進行にともない尿道カテーテルを挿入することになり、カテーテル挿入後1ヶ月くらいした頃に状態観察と入浴介助の目的で訪問看護が開始になりました。デイサービスに行くのがとても楽しみだったのですが尿を溜める大きな袋があることで周りの人に特別な目で見られていると気持ちが落ち込んでいました。先生からレッグバックをもらっていたけれど、使い方がよくわからなかったようでした。毎日レッグバックに付け替えていいのですが、高齢の奥様では付け替えが少し不安があるようだったので、まずはデイサービスの時だけでも息子さんに手伝ってもらいレッグバックに付け替えて行くことにしました。周りの人から「管はなくなっちゃったのかい?」と言われたと笑顔で話してくれました。

自宅で暮らす方たちは家にこもっているわけではないので、見た目や身軽さっていくつになっても大事だなぁと思います。