訪問看護って奥が深い!

30代、ナース。独身で仕事にプライベートに好きなことばかりやっています。4年前から立ち上げに関わった訪問看護ステーションで働いています。訪問看護の素晴らしく奥が深い日常をお伝えします。

人生100年時代の先輩

今は人生100年の時代、どう生きていくか?テレビでも聞くようになりました。
100年の人生、想像つきますか?
私が担当させて頂いている利用者さんに、まさに人生100年を生きている女性がいます。

本当に強く、優しい素敵なおばあちゃま。
100歳でも自分のことは一人ですることができるくらい体は動かせます。
高齢なので、少しの体調変化から急に具合が悪くなる可能性が高いので、ご家族が落ち着いている時から体調を見ていてほしいということで訪問看護が利用開始になりました。

生き甲斐である庭の手入れも自分の体調と付き合いながら続けています。
訪問すると自家菜園のキュウリを収穫していたりして、その姿を見た私の方がびっくりするくらいです。Tさんが届かないキュウリを一緒に収穫した訪問もありました。

それなりに病気はお持ちです。心臓や腎臓も100年使われると疲れてきます。いわゆる心不全、腎不全と言えるような採血の値です。動くと疲れる、息が上がるという症状がでます。
足も神経痛があり、時々は立ち上がれないほど痛みが出ることがあります。

それでも、Tさんは疲れるから、痛いからと言って動かないのではなく、体調のよい朝に体操をし、天候のよい午後の時間を選んでカートを押しながら散歩にいきます。疲れるからこまめに休憩をとりながら歩くのです。痛みがでないように温めます、痛みが和らぐからと毎朝まるでヨガのようなストレッチを欠かしません。

太平洋戦争は当然、関東大震災も経験されています。
お話を聞く中で、二・二六事件の話が出て驚きました。歴史の教科書で学んだことを体感してきたTさんの激動の人生、若くに結婚し、お店を開き、一代で大きな料理屋さんにまで育ててきたTさん。
誰よりも忙しいはずなのに、女将さんとして働いているときから毎朝散歩をし、大好きな草花の世話をしてお店の庭をつくってきたといいます。

そのTさんが「人生100年っていうけれど、100年生きるのは大変なのよ。痛いところも出てくるし。でも付き合っていくしかないんだから、自分でいいと思ったことをするしかないわよね」
説得力ありすぎです。日々の努力なしに、動ける100歳はない、と思います。

100年分のドラマと人生の教訓を聞かせてもらえる機会を持てていることに感謝です。