訪問看護って奥が深い!

30代、ナース。独身で仕事にプライベートに好きなことばかりやっています。4年前から立ち上げに関わった訪問看護ステーションで働いています。訪問看護の素晴らしく奥が深い日常をお伝えします。

嬉しい一言

今年の年越し、私は緊急電話当番をしていました。
お正月とか誕生日とか、少し特別な日に当番をすると思い出すことがあります。

2年前?3年前?かな。
別にいいんだもん、と思って自分の誕生日に緊急電話当番をしていました。
予測される予後は数日という経過をたどっていたIさん、
THE 肝っ玉母ちゃんという奥様と2人暮らし、奥様が介護されていました。

一週間前には一度意識レベルが低下して夜に娘さんにも来てもらい今日超えるの難しいかも、という説明をして退室したところ、翌朝「起きました!」と。
えっ!血圧60代で声かけしても反応なかったのは幻だった…?
娘さん曰く、お母さんが「まだ逝っちゃダメよ!!戻ってきなさい!!」
と呼び戻したそう。さすが!
その後一週間、状態としては低めだが痛みは貼付剤や舌下投与のお薬を使用し、ベッド上ながらご家族と時々話ができるかな、という状況で過ごされていました。

自分の誕生日に携帯当番をしていた一週間後の夕方に、奥様から電話。
お父さんの反応がおかしい、と。
訪問にすると血圧と意識レベルの低下が見られました。再度娘さんに連絡し、娘さんご家族に来てもらい今の状態を説明。奇跡的に復活したお父さんだからわからないけれど、一般的な経過としては今日を超えるのは難しい状況と思われることをお伝えし退室しました。

暗くなったころに呼吸が止まったと連絡があり、先生の診断後、お身体を綺麗にするために私と担当看護師Nさんとで訪問にいきました。肝っ玉母ちゃんと娘さん、お婿さんにお孫ちゃん達と一緒にお父さんの思い出話と一週間前の復活話をしながら、泣き笑いながらの時間でした。

ご自宅を後にする私達に向かって、娘さんが「そらさんと、Nさんにお父さんを看てもらえて嬉しかった!」と大きな声で言ってくれました!

自分の誕生日に忙しい1日で疲れていた私に、とってもとっても心にしみた一言。
「よかった」ではなく「嬉しかった」という言葉が私は嬉しかった。
違いますよね!
娘さんの気持ちを乗せてくれた言葉に、疲れが飛んだ瞬間でした。