訪問看護って奥が深い!

30代、ナース。独身で仕事にプライベートに好きなことばかりやっています。4年前から立ち上げに関わった訪問看護ステーションで働いています。訪問看護の素晴らしく奥が深い日常をお伝えします。

訪問看護での医療処置 ※CVポート編

CVポート。
医療者ならば聞き慣れている言葉ですが、医療者ではない人達にはイメージがわかないかもしれません。
口から栄養を取れない場合に、鎖骨の下にある太い静脈にカテーテルをいれて、そこから高カロリーの点滴を入れます。皮膚の下にポートという土台を埋め込み、カテーテル感染がおきにくいようになっており、表面上は皮膚で覆われています。
自宅では針刺し、点滴の交換、点滴ルートの交換、カフティーポンプ(在宅用の点滴ポンプ)の管理といった処置が必要になります。

私のステーションは癌の利用者さんが多いので、私が訪問看護で関わるかたでCVポートを利用しているのは、比較的若い世代の消化器系や耳鼻咽喉科の癌のかたで口から栄養をとることが難しくなり、CVポートからの高カロリー輸液をしている方が多いです。
抗がん剤治療のためにCVポートを挿入している方もいらっしゃいます。
これは訪問看護ステーションでどのような利用者さんが多いかによって変わると思います。

40〜60代の若い世代の方が多いので、基本的に針刺し以外の処置はご家族ができるように指導していきます。退院時には病院でルート交換とカフティーポンプの管理、生食ロック、抜針方法を教わってきている方がほとんどで、針交換は1回/週、訪問看護で実施することが多いです。少なくとも点滴交換とポンプの扱い方、注意点さえ指導してくれていれば、あとは自宅で指導していくことができるので、一日でも早く退院したい人の場合は病棟の看護師さんと指導内容を確認しあっていきます。

どんなに理解がスムーズなご家族でも、やはり自宅で、自分一人でやるということに初めはとても緊張されています。初めて行うときは訪問看護の時に一緒に手順を確認し、困ったときにはいつでも電話で連絡してよいとお話ししています。カフティーポンプのパンフレットなんかは写真付きでとてもわかりやすく作られており、初めの頃は私も一緒にパンフレットを見ながらやっていました。

ポンプのアラームがなった、ルートに空気が入った、など初めは色々な不安があり電話で相談されることもありますが、ご家族はけっこう逞しくて、電話での口頭説明で対応できることが多いのです。もちろん、訪問が必要な状況の時には臨時訪問で対応します。
処置に慣れてきて、予想外の事態にも冷静に対応できるようになるので、訪問看護で行ったときに、こんなことがありましたが大丈夫でした、と報告を受けるようになったりするのです。利用者さんとご家族、みなさん本当に頼りになります。