訪問看護って奥が深い!

30代、ナース。独身で仕事にプライベートに好きなことばかりやっています。4年前から立ち上げに関わった訪問看護ステーションで働いています。訪問看護の素晴らしく奥が深い日常をお伝えします。

自宅で過ごすを本人と家族が選ぶ時 〜Yさんとの関わり3/3〜

徐々に全身状態が落ちていましたが、娘さんが1歳児のお孫さんと一緒に介護のため一時的に戻ってきたり、本人の妹さんが泊まり込みで介護を手伝ってくれたりと、ご主人と一緒にみなさんで過ごされました。

ある時、排便リズムが変わり頻回なオムツ交換が必要な日が数日続きました。その時に、ご本人が『病院に行こうかな』と。みんなに迷惑をかけるから、みんなが大変だからと。
それを聞いたお父さん、
『病院には行かなくていい』
と、言い切りました。看護師に来てもらい便処置の頻度を増やして対応していくことになりました。

本人が嬉しいと思ったか、辛いと思ったかはわからなかったですが、私は初めはYさんから詰め寄られてやっと在宅を選んだご主人が、自宅で過ごさせたいと自ら意思表示してくれたことに感動してしましました。
ご主人の言葉で、在宅療養の体制を再度整え、訪問看護の回数を増やし、その都度排便ケアをして出来るだけ家族だけの時にできるだけ排便が出ないように対応しました。

意識が混濁する時間も徐々に増えていましたが、1歳のお孫さんをベッドに乗せるとすごく喜んでいたそうです。子供の存在って大きなパワーですね。本人だけでなく介護者の癒しにもなっていました。コワモテのお父さんがお孫さんを前にデレデレのおじいちゃんになっている姿はとても微笑ましく、訪問診療で来ていた医師と思わず笑ってしまいました。

Yさんは、最期まで家族に見守られてご自宅で息をひきとりました。

2ヶ月後、慰問でご自宅に行った時に、ご主人が、色々と先をみて環境を整えてくれたことが安心だった、自宅で看取れてよかったと話してくれました。そして、娘さん、お孫さん、妹さんに、私も入れて一枚写真を撮ってくれました。まるで家族写真に入れてもらったような、みんなが笑っている写真でした。

 

心に残る家族の姿を見せてくれたYさんとの出会いに感謝です。